後 記  写真の解像度

この画像は1910年、約100年前に撮影されたロシアの教会です。すばらしい解像感ですね。

カラー現像を経験された方ならお分かりと思いますが。カラー写真を作るには基本的な三原色を取り入れる別々のフィルターが必要になります。

そのためフィルムやデジカメの素子の中にはたくさんの小さな三原色フィルターがちりばめられているわけです。ここでちょっと困った事が発生します。
各フィルターはそれ以外の色を吸収しないため残りの2つは空白状態になってしまうのです。つまり解像度はフィルム(素子)面積の1/3になってしまうわけです。
上の写真は同じ位置からカメラ3台使い、それぞれの内部には

赤い信号を吸収する板(フィルム)
青い信号を吸収する板(フィルム)
緑の信号を吸収する板(フィルム)

が入っています。撮影後合成することによって全く解像感が失われない画像が生まれたわけです。
(このやり方は浮世絵の印刷方法に似ていますね)

しかしこれは大変な技術力を要すため、継承されることはありませんでした。瞬く間に普及したのはリュミエール兄弟の発明したオートクローム方式です。これはジャガイモのでんぷんを細かくすりつぶし3つにわけ、それぞれに三原色を感光する薬剤を塗布し再び混ぜ合わせフィルム面(板)に吸着させたモノでした。でんぷん一粒がフィルターの役割をします。これなら一度の撮影ですむわけです。初期の頃は粒子が粗かったためかなりのノイズがありましたがやはりモノクロ画像とは見る側の印象に雲泥の差がでます。

以下オートクローム写真いずれも1910年代撮影
1914年撮影
第一次世界大戦の画像
まるで映画のワンシーンを見るような錯覚をしてしまいます。


1914年撮影
第一次世界大戦の画像

アイルランドの少女


イタリアの少女


以上は過去にTVにて放送されたこともある内容です。私の場合山滝写真が好みなので探してみましたが日本ではかなり残っているのに諸外国では人物が中心で自然の写真がきわめて少ないようです。何故なのでしょうか。

実はこのオートクロームもう一つ大きな特徴があります。当時としては欠点だったのですが、赤を取り入れるフィルターの感度が低かったため、赤色が弱かったのです。しかし自分にとっては赤花を撮るとすぐ色飽和する現在のデジカメよりもずっと落ち着いた好みの色です。